スズライト 昭和20,30年代
1902年に設立した鈴木式織物機は不振の織物メーカーから自動車メーカーへと転身していった。
スズキは1952年にバイク用2サイクルエンジンを制作し、その当時、自転車用補助エンジンとして好評を得た。その後、社名を鈴木自動車工業に改めホンダ、ヤマハと並び3大バイクメーカーとなった。
自動車の開発は1953年に正式決定されたが、戦前の1936年から研究開発が進められ1939年小型乗用車の試作した経緯がある。その後、戦争が激化し鈴木式織機が軍需品の生産に動員されたため、自動車の開発は中止された。
スズキの自動車の研究開発は1954年から税制などで優遇される軽自動車で進められ、エンジンは2サイクル360cc、駆動方式は今では乗用車の主流であるFF方式(前輪駆動)が基本設計であった。
スズライトの試作車 外国車ロイトを参考にして作られたため左ハンドルだった。
1955年7月にはセダン、ライトバン、ピックアップが認定を受け、10月にスズライトとして発売された。
1955年ー1957年スズライト SFセダン
スズライト SFセダンのダッシュボードまわり
1955年ー1959年スズライト SFライトバン
セダンが4人乗り、ライトバンは3人後の積載量200kg、最高速はセダン85km/h、ライトバンが62km/hだった。エンジンは空冷2サイクル3600cc 16馬力/4200rpm
当時はこのクラスの軽自動車の市場は十分に育ってなく、1957年10月でセダンとピックアップの生産は打ち切られ、生産はライトバンに絞られた。
その後、スズキの軽乗用車が市場に戻ってくるのは、1962年のスズライト フロンテ 360からになる。