自動車輸出 L/C決済

中古車の輸入のさいの決済条件がL/Cに限定されているスリランカやバングラディッシュなどの国々があります。

これらの国々では自国の保有する外貨のコントロールと現地輸入者の保護などの理由により輸入のさいにL/C決済を義務付けているのだと思われます。

また、L/Cの決済を義務付けることで高額な輸入になる中古車などの決済を地下銀行などの不正送金による決済をさせない意味合いもあると思われます。

実際の取引ではL/Cと第三国経由のT/Tを組み合わせて決済する取引が行われているようです。例としては取引金額のL/Cを70%、T/Tを30%とし、輸出者には取引額の70%のL/Cが発行され、残りの30%は船積み前後に第三国からの振込、または地下銀行から送金されます。

L/Cを使った現地輸入者の保護のためには、L/Cの決済に必要なB/Lやinvoiceなどの船積み書類の他に多くの決済条件が付帯され、様々な証明書を含めた多くの添付書類が必要になるL/Cが輸出者へ発行されている場合があります。

輸出の条件のなかには、ほとんど不可能な船積み条件や取得が困難な証明書の添付が条件になっている場合もあり、注意が必要です。

取り消し不能信用状(Irrevocable L/C)

L/Cは日本語では信用状とよばれ通常のL/C)は「取り消し不能信用状」(Irrevocable L/C)として発行され、L/C発行後は輸入者の都合では取り消しが出来なく、輸出者がL/Cの条件に従い船積みをし、その条件に合う書類を銀行(advising bank)に持ち込めば決済がされる仕組みになりますが、船積み条件や必要書類がL/Cの条件と一致していない場合には決済が拒否されます。

この場合には現地輸入者が条件の不一致を承諾しL/Cの条件の変更(amend)をすれば決済されます。

L/Cは銀行を介しての決済になるため、まだ信頼関係がない初取引などでは有効な決済手段となりますが、取り消し不能信用状(Irrevocable L/C)は必ずしも決済が確実におこなわれるものではないことを認識する必要があります。

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