最初の人工動力 蒸気機関①
人間は狩猟生活から農業、牧畜の生活になってから、色々な道具を開発し、都市を作って交易を始め、交易に必要な交通機械が開発していった。
機械技術にはてこ、車輪、滑車、ネジなどがあり、いずれも紀元前に発案され利用されていた。動力源としては動物や奴隷、風力、水力などの自然力が利用されていた。
人工の動力の初の試みはヘロン(Hero)1世紀の蒸気を利用したタービンのおもちゃといわれている。
ヘロンの原始的な蒸気タービン ノズルから出る蒸気の反動で玉が回転する
風力は帆船に早くから利用され、農耕が始まってから水力は、人力に代わって水車で収穫した穀物の脱穀が行われるようになり、後に脱穀した穀物の製粉も水力を使った石うすで行われるようになった。ここから水平軸の回転を垂直軸に変える歯車が考案された。
その後、1500年くらいまでの中世期のヨーロッパではキリスト教の倫理が許容する範囲でしか科学や技術の発展出来ない時代が続いたため、大きな新しい技術は生まれてこなかった。
15世紀ののルネッサンス時代に入ってからは科学的発想の基礎を築いたダビンチやガリレオが活躍し、航空機、ポンプ、織物機械など様々な工業製品の原型が発案された。それらはこの時期に実現されなかったが、後の産業革命時代に大きな影響を与えた。