最初の人工動力 蒸気機関③
ニューコメンの蒸気機関を基礎にして多くの技術者がそれを改良し始めることになった。その中で最も飛躍的な改良を成し遂げたのはジェームズ・ワット(James Watt 1736-1819)だった。
1763年、ニューコメンの蒸気機関の効率の悪さが原因を追究していき、その原因が1工程ごとにシリンダ内で蒸気を冷やして凝結させることに、その原因があることをつきとめ、シリンダを蒸気ジャケットで包み高温を保ち、凝結はシリンダとは別のコンデンサで行わせることにした。さらに大気圧だけでなく蒸気圧を有効に使って出力を高めた。
ワットの揚水ポンプ用蒸気機関
その後、実業家のマシュー・ボールトンとと組んでボールトン。ワット商会を作り蒸気機関の製造を始めた。それはニューコメンの蒸気機関に比べ倍の効率を持ち価格はほぼ同額だったことから1778年以降、揚水ポンプ用蒸気機関の主流となった。
さらにワットの蒸気機関は排水ポンプ以外にも利用されるようになり。1781年には蒸気を利用した回転機関を完成させた。その結果、工場の動力源や機械の動力源など様々なものに利用されることとなり、イギリスの産業革命のけん引役となっていった。