中古車販売店舗の縮小
ここのところ自動車の需要は新車、中古車共に不振が続いていて、消費税の引き上げによる駆け込み需要の反動の影響があり2017年の消費税10%の引き上げも控えているため今後も販売の低迷は続いていくように思えます。
人口減少を考えれば自動車に限らず全ての需要が減少していくのは当然のことになるのですが、中古車販売ではその販売形態が変わって行き、中古車市場での店舗販売は縮小して行くように思います。
ネットがない時代には中古車の情報は店舗に展示してある中古車を見て回る、または中古車情報誌などを通じて得ていましたが、今はネットを通じて容易にそれらを得ることが出来るようになり、販売形態もネットを通してのオートオークション代行、個人間売買などの新たな形態も出てきました。
中古車販売店に展示されている中古車の多くはオートオークションから仕入れられたものを展示しています。それら仕入れられた中古車に必要に応じて加修を施し、販売店の利益を乗せて販売されています。
消費者ー>下取り、買い取りー>オートオークションー>中古車販売店舗ー>消費者
中古車販売店を維持するのは店舗の家賃、電気代などの水道光熱費、従業員の人件費などの固定経費に加えて仕入れた中古車の維持費(車検付き車両の自動車税など)があります。また全部が利益を乗せて販売出来るわけではないため、不良在庫を赤字で処分することでの損失も経費になります。
これらの経費を合わせると中古車販売店を維持するためには莫大な経費がかかり、その分を利益として商品の中古車へ転嫁しなければ販売店舗を維持することが出来ません。
それに対して、オートオークションの代行の場合では自宅または事務所だけで販売が出来、またネットオークションなどを通して無店舗のネット販売では商品としての中古車を置く駐車場を利用してできるため、店舗販売と比較してはるかに少ない経費で中古車販売を行うことが出来ます。
消費者ー>下取り、買い取りー>オートオークションー>オートオークション代行業者ー>消費者
消費者ー>下取り、買い取りー>オートオークションー>無店舗のネット販売ー>消費者
上記は販売業者を介して中古車の売買になりますが、それとは別に個人間売買があります。個人間売買は基本的に消費税が非課税になる場合が多く、一般消費者にとってそのメリットは大きくなります。
具体的には消費税が10%とすると、車両本体100万円の中古車の消費税10%は10万円であり、本体価格と合わせて110万円が総額となりますが、消費税が非課税であれば100万円の本体価格のみで購入することが出来ます。
消費税率が低いのであれば中古車の税額はあまり気にならないと思いますが、消費税10%は一割になるため、他の商品と比べて高額になる中古車では消費税の金額が大きくなります。そのため、税率が引き上げにより個人売買の市場が大きくなっていくようにも思えます。
そうなれば、現在の店舗販売はほとんどが成り立たなくなります。また、オートオークションは中古車販売事業者が会員であるため、オートオークションに出品されている中古車は福祉車両などの例外を除き全て消費税が課税されます。そのため、ほとんどの取引が非課税になる個人間売買が増えていくような状況になれば、オートオークションも今現在の形態では存在できなくなるように思います。