L/Cのカントリーリスク 中古車輸出
中古車の輸出決済代金の未決済にはL/Cを決済する書類とL/C条件の不一致の他にカントリーリスクがあります。中古車の仕向け地は一般的に日本のような先進国から後進国へ輸出されることが多く、仕向け地ごとに危険負担の度合いは異なります。
銀行へL/Cの決裁書類を持ち込んだ時に条件の不一致がなければ、通常はそのまま取り立てや買取となるのですが、L/Cの発行国によってはL/Cの条件不一致がなくても受理してもらえない場合があります。またL/Cの発行国によってはL/Cの取り扱いをそもそもしてもらえない銀行もあります。
そのため、L/C決裁での取引をする場合には通常取引している銀行で、中古車の取引をする前に、その国のL/Cの取り扱いができるのかを確認する必要があります。L/Cの取り扱いができない場合には取引先に日本のadvising Bankを確認し、その銀行に口座がなければ新たに口座を開設する必要があり、L/Cの決裁もその銀行ですることになります。
L/Cは現地L/C発行銀行から日本のadvising Bankを経由して届きますが、日本のadvising BankであったとしてもL/Cの決裁手続きを拒否される場合もあるので、中古車の取引をする前の確認が必要です。また、L/C決裁の手続きを受けてもらったとしても、L/Cの発行国によっては条件付きでのL/C決裁手続きになる場合もあります。この場合にはL/Cの決裁について中古車の売り手側が一切の責任を負い、決裁に関する不服の申し立てをしないなどの念書が必要になったり、L/Cの買取ではなくL/Cの取り立てのみの手続きになるなどがあります。
簡単にいえばL/Cの決裁に念書などの条件が付く国はカントリーリスクが高いということになります。
後進国の中には政情不安や紛争地もあるので政変や戦争紛争が起こった場合には、たとえL/Cの決裁書類がそろっていたとしても決裁されないのは当然のことになります。その他後進国の中には現地バイヤーを守るために現地バイヤーの意向とは別にL/Cに多くの決裁条件を付けてL/C決裁を難しくしているケースもあります。
L/C決裁で中古車の取引をする場合には事前に決裁書類を持ち込む銀行への相談と、決裁上の問題が起きたときのことを現地バイヤー事前に確認してからの取引にしたほうが無難です。