バーゼル法による事前承認
中古品の輸出では廃棄物処理法に基づく環境大臣の確認又は許可及び外為法に基づく承認申請が必要となり、中古の自動車部品や家電品などの中古品やスクラップなどの廃棄物がその対象になります。
バーゼル条約は産業廃棄物が国境を超えて後進国などへ輸出され環境問題を引き起こしているなどの問題から規定された条約になり、日本もこれに加盟しているため、これらの輸出には環境大臣の確認または承認申請が必要になります。
実際にはShipper、buyer間の売買契約書に写真添付して確認または承認申請をします。この目的は廃棄物が現地で中古品として再利用されるか、または材料として再生されるかを確認するためであり、追加で現地の状況を確認する資料を要求されます。また、申請は通関業者が代行してくれます。
契約書見本
中古家電品や中古自動車部品などでは現地で修理して再販している写真などが現地の状況を示す資料になります。
通電証明書見本
また、中古家電品は輸入国で再使用されることが前提なので、通電証明を添付します。これはコンセントにつなぎ電源が入ることの確認になります。
バーゼル法による事前承認申請のポイントは現地で適正に処理されているかどうかになるので、現地からそれを証明するための写真などの資料がもらえない場合には承認されないため、中古品の輸出は出来なくなります。
何でもコンテナに入れて輸出していた時代がありましたが、バーゼル法による事前承認以外にも、現在では通関時のinvoiceとコンテナの中身の確認も厳しくなりました。そのため、多くの種類の中古品がある場合にはX線検査になることも多く、その際に小さなものであってもinvoiceに記されていない場合にはコンテナから全ての貨物を出しての税関検査になります。この場合の税関検査かかる費用は保管料も含めて大きくなり、実際に輸出許可が出て輸出されるまでの時間も週単位で伸びることになります。
中古車の輸出は別の意味で厳しい状況が続いていますが、中古自動車部品や家電などの輸出も難しくなりました。