スリランカへの中古農機具輸出
スリランカへの中古農機具の輸出では自走が可能なものは車両として扱われ、中古車の輸入と同じ扱いになります。
スリランカでは耕運機などの自走可能な農機具はナンバーを取得することができ公道を走行することができます。写真のような小さいディーゼル耕運機でも後ろに荷台を取り付ければ自走が可能になるので、自動車として登録することができナンバーを取得することができます。そのため中古車の輸入と同じ扱いになります。
こういう中古車両の輸入でも、スリランカでは登録のための書類として輸出抹消にあたる書類は必要なのですが、日本では公道を走るための登録は出来ないため、こういう車両に対する車検証に類するような書類はありません。また、こういう車両の輸入は製造年月日から10年以内とされているため、それを証明する書類も必要になります。
自動車のように車検証があれば簡単に年式などを証明することができるのですが、こういう車両の登録証はないため、実際には商工会議所での原産地証明で代用することができます。
原産地証明は肉筆証明とラバー証明がありますが、スリランカの場合はラバー証明で問題ありません。通常の原産地証明で輸出する場合で、製造年を記載する場合には製造メーカーなどが発行する年式を証明する書類が必要になります。
実際にはこういう車両の年式を証明する証明書の取得は難しいため、自社で原産地証明を発行し、その証明書上に年式を記載して自社で製造年の証明をすることになり、証明書を自社で作成後に商工会議所に証明書の申請をします。書類上に問題がなければ商工会議所のスタンプを押してもらえます。
この場合の問題がないの意味は証明書の書式や書き方上の問題などになり、証明を必要とする車両の諸元が現車と一致しないなどの問題ではありません。そのため現車と証明書に記載されている諸元が不一致であってもそのまま証明書と有効になります。
言い換えれば自社で作成する証明書のため虚偽であってもそのまま証明書として有効になってしまいます。そのため、実際にはスリランカで製造年から10年以内とされているトラクターなどの農機具の輸入は10年を超えたものでも輸入できることになります。
船積は中古車と同じ自動車専用船に積むことができますが、国内では自走することはできないので、船側までの横持費用が追加されます。船賃(フレート)は自動車に比べると総立米(M3)がかなり小さくなるため、最低フレートが適応される場合がほとんどのように思います。