中古車輸出 海外送金トラブル

中古車の輸出代金の決済はT/T(telegraphic transfer)と呼ばれている電信振込やL/C(Letter of credit)で行われることが多いのですが、その他には銀行とは別に外国為替を取り扱う専門業者を利用して行われることもあります。

これらの外国為替を取り扱う専門業者は外国為替ブローカー、ドア to ドア、マネーエクスチェンジャーなど様々な呼び方があります。これらの業者の行為は日本では法律に違反する行為になる場合が多いようです。色々な呼び方がありますが、分かり易く言えば、もしそれらの行為が法律に触れるのであれば、これらの業者は地下銀行ということになります。

外国為替の取り扱いに関する法律は国よって異なるため、送金する側の国々によっては違法性はないのかもしれませんが?中古車の輸出の決済では利用されているケースも多いようです。

銀行間のT/Tでは送金されたお金が相手方に届かないということは無いのですが、外国為替の業者の場合には依頼したお金が送金されてないことがあります。銀行間のT/Tでは着金が遅くなることはありますが、必ず着金します。

それに対して外国為替の業者では倒産により送金がされないケースやその業者が送金するお金を騙し取る詐欺のようなケースもあります。

中古車は単価の高い商品であるため、外国為替の業者は数億円から数十億円のお金を取り扱っています。そのため、最初から詐欺を目的に送金者に有利な為替レートを提示してより多くのお金を集め、その後その業者が行方不明になるケースもあります。

送金が着金されない場合は送金を依頼した側(バイヤー)がその責任を持つことになります。そのため、船荷証券やその他の船積み書類を受け取るためには送金されなかった代金を再度送金する必要があります。

ここで問題になるのが、外国為替の業者が行方不明になった後に現地バイヤーからT/Tのコピーがshipper側に送られてきて、そのコピーを持って支払いが終わっているので、船積み書類を送ってほしいとの依頼がある場合です。

海外取引では銀行間の送金であるT/Tコピーでも本物かどうかの見分けは難しく、通常は着金されたことの確認が受け取り銀行でされることが必須になります。そのため、銀行間や外国為替の業者の発行する送金の控えは意味を成しません。

銀行に代わる外国為替の業者での送金は、有利な為替レートで早く着金することのメリットはあるのですが反面で危険性の認識も必要になります。

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