中古車輸出 オーシャンフレート
中古車を輸出するためには車をそのまま積み込みが出来るRo-Ro船(自動車専用船)か、コンテナ詰めをしてコンテナ船での海上輸送することになります。
おおくの場合はRo-Ro船(自動車専用船)が使われますが、Ro-Ro船の配船のない仕向地やRo-Ro船のフレートがコンテナに数台詰め込んだ場合より高い場合にはコンテナ船が使われています。
コンテナ船は多くの仕向地に配船されていますが、Ro-Ro船は新車の海上輸送を目的に配船されていることが多く、中古車はその余ったスペースを利用しての船積みになります。そのため新車の船積みが優先され、新車の台数が急に予定より増えた場合には、予約済みの中古車であっても出航直前に全て落とされます。
新車の仕向地には日本の大手船会社が配船していて、中古車のフレートは一定のレートになっている場合がおおくなります。この場合は各仕向地ごとにM3(立米)あたりXX米ドルとなります。
新車の余ったスペースを上回る中古車の台数が恒常的にある仕向地には、日本の大手船会社以外のRo-Ro船が配船され、その場合には船会社間で貨物の取り合いになることから、フレートは一定のレートではなく、船会社間で異なるようになります。
この場合は各Shipperごとにもフレートのレートは異なり、その違いはM3(立米)あたり数ドル以上になります。一回の船積みで数百から千台単位の貨物を持つShipperは通常のレートから10ドル以上低いレートになる場合もあります。
また、恒常的に貨物の多い仕向地には新車の余ったスペースに中古車を積むRo-Ro船ではなく、中古車にみを積むRo-Ro船が配船され、その場合は船会社間のフレートの競争が更に進みフレートのレートが全体に大きく下がります。
例として、ミャンマーの中古車の規制緩和があった4年前にはM3/$72のフレート現在では$50を切るまで下がっています。そのため、この航路から撤退した船会社もあります。また、アフリカ東側のMombasa、Dar es salaamのレートもリーマンショック以前は$100を超えていましたが、今では$50を下回るレートで積んでる大手のShipperもあるようです。
インターネットが世界中に普及し、日本のオートオークションのパスワードが多くの中古車の輸入国に流出してしまっている今現在では、中古車本体から利益を得ることは難しく、各Shipper間のC&Fでの現地販売価格の差は各Shipper間の輸送コストの差になっています。いいかえれば、各Shipper間のフレート(船賃)の差が各Shipper間の台あたりの利益の差になります。
そのため、現在の中古車輸出の状況は中古車本体から利益を得るのではなく、フレート(船賃)違いから利益を得る状況になっています。
この状況のなかで、何もわからない素人が、中古車輸出独立支援サイトなどを利用して独立し、それで生計を立てることは不可能に思えます。中古車輸出で独立して年収一千万などと、うたっているサイトが多くありますが、もしそれが本当であれば、他人にそのノウハウを教えることなく自分でやって多くの利益を得ているはずです。それが出来ないから中古車輸出独立支援サイトを立ち上げていることになります。
もし、個人が独立して年収一千万になるのであれば、その会社で10人を雇用すれば会社の粗利益は年間一億円を超えることになり、そのノウハウを一人あたり数十万円で他人に教えるはずもなく、どう考えても理屈に合わないことになります。