エンジンの焼き付き
エンジンの焼き付きとはエンジン内部部品の金属と金属が擦れ合う部分の潤滑不足から高温になり、金属どうしが溶接される現象でいずれの場合もエンジンのオーバーホールが必要になる。
一般的な原因としてはオーバーヒート状態のまま高速走行をした場合の他にはオイルのメンテナンス状態が悪い場合、またはエンジンオイル循環系の故障などがある。
オーバーヒートは水温系の異常な上昇や水温警告灯が赤く点灯したらすぐに走行を中止し、その状態に応じてエンジンをアイドリング状態にするまたは、停止させるなどしてその原因を見つけ修理する。この状態でエンジンを高回転にする高速走行は金属どうしがこすれ合う部分を高温にするため、エンジンの焼き付き原因になる。
エンジンオイル系統の故障ではオイル漏れにより、各部を潤滑するエンジンオイルの規定量がエンジンから漏れ出てしまった場合にはオイル警告灯が点灯しエンジンオイルが潤滑を必要とする各部に行き渡ってない状態になり、そのまま走行をするエンジン焼き付きの原因になる。
エンジンオイルが原因によるエンジンの焼き付きではオイル交換が適正に行われていない場合にも起こる。エンジンオイルは燃料の燃えカスを回収する機能をもっているため、オイル交換をせずに使い続けるとオイルがドロドロの状態になりオイルの潤滑経路を詰まらせてしまうことになり、エンジンオイルが潤滑を必要とする各部に行き渡ってない状態になる。
人間の体の置き換えればエンジンオイルは血液のようなものであり、血液がドロドロの状態になればそれが塊になって血管を詰まらせ栄養が行かなくなった細胞が部分的に死んでしまうこと場合があり、また心臓や脳でこの現象が起きると生死の問題にも関わりのと同じように、エンジンにも部分的にクランクシャフトを受け止めているメタルの部分的な焼き付きや他のピストンリング、シリンダーヘッドのバルブ駆動系の焼き付きなど多くの個所が同時焼き付く場合がある。
クランク
ピストン
シリンダーヘッド
いずれにしても、エンジンの焼き付きではオーバーホールが必要であり、今現在は多くの場合、オーバーホールはせずに、中古のエンジンに乗せ換えるケースが多くなっています。
その理由としては解体工場からの中古部品の流通経路が整備され、また、その情報がネット上のデータベースで共有されるようになったことで、保証付の走行履歴のある中古エンジンが流通していることがあります。その結果として、エンジンを車から降ろしてオーバーホールした後に車体の載する修理から中古エンジンへ積みかえるだけの作業のほうが早く済み、また修理総額が低く抑えられます。