中古車輸出 船賃の変動

自動車の輸出は主にRo-Ro船とよばれる自動車専用船で行われることが多いのですが、自動車の輸出台数が少ない仕向地ではRo-Ro船の配船がないため、コンテナが使われています。

オーシャンフレート(船賃)は需要と供給により決まり常に変化しています。日本からの中古車の輸出が少ない時代には新車を積むRo-Ro船の余ったスペースを利用して中古車の輸出が行われていましたが、その後、貨物が安定して多い仕向地向けでは中古車の貨物だけでRo-Ro船が配船されるようにもなりました。

リーマンショック以後は年単位での増減はあっても全体の中古車の輸出量は減り続けていて、今後は、貨物が大きく減ることによりRo-Ro船の配船が無くなる仕向地もあるのではないかと思われます。

リーマンショック以前はRo-Ro船が足りない状況が長く続いた時期があり、その時期はRo-Ro船の中古車の予約を取ることは難しく、予約がとれたとしても、今から見れば非常に高いフレートの相場になっていました。この時期のフレートの例としてはアフリカのDar es salaam、Mombasa向けでM3あたり$100を超えていました。その後は徐々に下がり続けて現在は$55以下にまで下がり続けています。

また、2012年から民政移管により市場の開放が始まったミャンマー向けのRo-Ro船の相場は$72から始まり、台数が増加するのに伴い参入する船会社が増え、その相場は徐々に下がり続け$30数ドル以下にまで下がっています。

 

また、中古車輸出の競争が激化している状況の中では大手の中古車業者が輸出台数を大きく伸ばし、貨物の量を背景にして特別なレートで船会社と契約しています。これらの業者ではDar es salaam、Mombasa向けでは$50以下、ミャンマー向けでは$20ドル代のフレートもあるようです。

今までフレートが下がり続けるまでには船会社が参入しては去るを繰り返している状況が続いていましたが、貨物の減少が続く航路ではRo-Ro船の配船が少なくなる仕向地では、その結果としてフレートが上がる状況も出てくると思われます。オーシャンフレートは船と貨物の需給関係で決まるので....

また、コンテナのフレートが低い仕向地ではRo-Ro船ではなく40ftコンテナに5台6台の小さな乗用車を無理に積み込んで台あたりのフレートを低くして中古車を輸出している仕向地もあり、こういう仕向地ではコンテナのフレートにも価格競争があります。

いずれにしても、今後日本からの中古車の輸出は減少傾向が続いていくことは必至であり、中古車輸出業界と自動車専用船の状況は大きく変化していくと思われます。

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