自動車輸出 L/Cの取り立てと買い取り

L/C決済ではL/Cに記載されている条件を満たす書類をL/C原本と共に提出し、書類上の問題がなければ、現地L/C発行銀行へ到着後、1週間から1か月くらいで決済されることが多いようです。

L/CはL/Cに記載されている条件を満たしていることを前提に商品の代金を取り立てを日本の銀行経由で現地の銀行へ取り立てることになります。また、取り立てとは別にL/Cを取り立て元の銀行で買い取ってもらう方法もあります。

L/Cの買い取りは手形の割引と同様にL/Cを担保にして代金の決済期間の融資を受けることになります。これはL/Cの条件を全て満たしていて、決済期間が1か月以上になる場合には有効な方法ですが、L/Cの条件を全て満たされてない場合には問題になることもあります。

L/Cの買い取りは決済がされることが前提なため、条件不一致などで決済がされない場合には手形の不渡りと同じ状態になり、買い取りを依頼したL/Cを買い戻さなければなりません。

中古車の輸出では発展途上国へ輸出されることが多いため、決済が難しいL/C条件が多く付いていることも少なくありません。そのような場合はL/C決済のためにL/Cへ添付する書類は慎重に取り揃える必要があるのですが、船積み期限や書類の到着期限など時間的な制約も重ねるため、全てをL/C条件に合わせることが難しい場合も多くあります。

また、こういう国々のL/Cの決済期間は往々にして長い場合が多いようです。そのため、こういう国々との一取引での決済金額が大きくなる取引では、L/Cの買い取りは有効なのですが、反面でL/C条件の不一致になるケースも多くなります。

このようなケースでも、L/C条件の不一致を現地バイヤーが変更(アメンド)してくれるのであれば問題なく決済されるのですが、L/Cの条件変更と引き換えに値引き要求をしてくる場合もあるので、こういう国々との取引でのL/C買い取りには更なる注意が必要になります。

政情不安や銀行決済システムが整備されてない国々のL/Cは取り立てそのものを断られる場合もあり、また取り立てを念書を提出して受けてもらえるようなケースもあります。そのため、そもそも、こういった国々のL/Cの買い取りを依頼することには無謀に思えます。

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